こんにちは。
整体知恵袋のたなかひろやすです。
「仙腸関節だけじゃないんだ…」
そう言って、
おじい(院長)は天を仰いだ。
そのあと、誰に向けるともなく続けた。
「カイロの本にも
“仙腸関節”としか書いてないんだよなぁ…」
まるでワタシに話しかけるような、
でも半分は自分に言い聞かせているような、
そんな独り言だった。
「まさか股関節の痛みが
仙腸関節以外からも起こるなんてな。
これは知らなかった…」
おじいは長年、
“股関節の痛み=仙腸関節”
という一本線で診てきた。
それが悪いわけじゃない。
当時はそれが“正解”だったんだから。
でも、
人体ってそんな単純じゃない。
鼠径部が痛い人が指しているのは、
実は“股関節そのものではない”
「股関節が痛い」と言って
来院される人が指す場所は、
大転子の外側ではなく、
ほとんどが 鼠径部。
解剖書じゃなく、
【患者さんの指が示す位置】
で理解するとこうなる。
鼠径部の知覚分布は L1。
そこから大腿内側にかけても同じ。
だからワタシはまず、
股関節(鼠径部)が痛い→
L1の状態をチェックする。
そこに関連して、
身体均整法でいうところの L5 を見る。
・L1が“鼠径部の痛み”にどう関わるのか
・L5が“支持性・荷重バランス”にどう影響するのか
この二つを見れば、
仙腸関節だけでは説明がつかない“違和感”が、
すーっと一本の線になる。
「本に書いてあること」
と
「実際に起きていること」は違う
おじいは
「本に仙腸関節としか書いてない」
と言った。
でも、患者さんの身体は
本の想定より複雑で、
時代によって使い方も、
固まる場所も、崩れ方も違う。
本が悪いんじゃない。
“本だけを見ていると、
患者さんの体を見落とす”
というだけの話。
施術とは、
本の正解を当てる作業ではなく、
目の前の体が示す“答え”を拾いにいく作業。
それを改めて感じた。
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今日はここまで。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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