初回で回数券が売れる話「整体知恵袋.com」
こんにちは。 整体知恵袋のたなかひろやすです。 中学生のころ、頭から落ちて 頸を痛めたという五十代の方が来院 四十年以上の古傷。 本格的に痛みが出始めたのは 社会人になってから。 そして、 常に痛い状態になったのは 二十年ほど前から。 問診のときから、 表情には疲弊感というか… 「もう期待していいのかどうかも分からない」 そんな諦めの色が濃い。 「あちこち行ったけれど…😩」 その一言が、この人の歴史を 全部物語っていた。 動きの確認をして、施術へ。 肩、首、背面、臀部…… 必要なところを一通り調整したものの、 正直、顔色や空気感から 「満足」という雰囲気ではない。 そりゃそうだ。 十代で負った古傷、 二十年以上の慢性化、 そして 数えきれないほどの“過刺激”。 本来の基準(自分の身体の普通)が 本人の中でもわからなくなっている。 「1回でズバッと改善」 そういう種類の症状じゃない。 これは、術者であるワタシのほうが よくわかっている。 それでも、うちに辿りついた。 「他所でよくならなかったものは、 均整でよくしなくてはいけないよ」 均整の古参先生が言っていた。 あの言葉が、 こういう時にふっと頭をよぎる。 とにかく【今日の本人の限界】までは 楽にしてあげたい。 そう思って設計し、施術を進めた。 ただ…… 施術後の空気感を見る限り、 満足度は高くなさそう。 そんな顏してるんだもん。 どうしても長い慢性痛には その日の限界値がある。 無理に攻めても逆効果だ。 そして、お会計のタイミング。 これまでの空気から察するに 「まぁ、今日はこれで…」で 終わる流れだと思っていた。 ところが 「回数券あるの? 今日から使えます?」 えぇ~~~~~!? まさかの“即・回数券購入”。 予想の斜め上。 いや、真上。 ここで、ワタシの中でひとつ確信した。 本当に苦しんでいる人ほど、 手応えより希望にお金を払う。 1回で劇的に変わらなくても、 「ここなら変われるかもしれない」 そう感じた瞬間、 初回からでも回数券を買う。 逆に、ちょっと変わっても 買わない人は買わない。 もちろん、 「回数券ありますよ」 「24回はかかりますね」 なんて押し売りされたら もっと買わないし、通う気も失せる。 回数券って、 効果の満足度 よりも 術者への信頼に比例する。 これ、長く施術をしていると心底そう思う。 この方の選択は、 痛みによる長い長い孤独の 歴史の裏返しなんだろう。 だからこそ、ワタシも責任を持って付き合う。 回数券を買ったからではなく、 『希望の旗』を もう一回立てた人なんだから。
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今日はここまで。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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