専門書の正しくない読み方「整体知恵袋.com」
整体知恵袋の田中です。
今日は、症例紹介にまつわる話を
させていただきます。
もしかしたら、
知っている話かも知れませんが、
それでも日常の施術の何かの
ヒントになればと思います。
それにプラスして、
専門書の「正しくない」読み方も
紹介させていただきます。
昔、いた整体院で、
あぐらをすると左の脛骨、
ちょうど膝蓋骨の真下、膝蓋靭帯らへんに
痛みがある女性が来られました。
なんですが、
困ったことに
その部分、あぐらをかく時だけ
ポコッと小さく、何かが出てくるんです。
階段の昇り降りや、
踏み込みの時には、
全く気にならない、とのこと。
あぐらのときだけポコッと何か出てきて、
痛み、不快感がでると。
本人は
「(出てくるのは)小さいころからあって、
そんなに気にはしなかったけど、
ここ最近、痛みが出てきた」
と言うこと。
あぐらなので、
左右の足を組み替えてもらっても、
左膝にはポコッと何か出てきます。
当時の院長が
「なんだろなぁ?」
「前に来てもらった時は、
ドロップ(テーブル)で
いくらか楽になったけど、
また出てくるということは、
違うんだろうな」
と考えている様子。
そこで、私は
「縫工筋じゃないですか?」
と一言。
すると、院長は
「なんで、縫工筋なんだ?」
と聞くので、ある話をしました。
縫工筋というのは、
「昔、裁縫を仕事にしていた人(仕立て)が
“あぐら”をかいて仕事をしていた時、
目立って見えた筋肉」
というトリビア的な話をしたら、
「そんな話、始めて聞いた。
なんで縫工筋っていうのか分からなかったけど、
そう言うことなのか!!」
と言って、縫工筋の調整をしました。
その後、患者さんに
あぐらをかいてもらうと、
ポコッと何か出ていたのも
ほとんど収まっていて、
痛みや不快感はない、
ということでした。
この「縫工筋」が「あぐら筋」というのは、
整体業界では、当たり前の話かと
思っていましたが、
身の回りに知らない人がいて
びっくりしました。
なんで、そんなどうでもいいような話を
知っているのか言うと、
昔、読んだ解剖の本に注釈的な感じで、
ページの下、本文とは関係のない欄外に
縫工筋と名前が付いた理由が
書いてあったんです。
それがなぜか鮮明に残っていたから、
あぐら=縫工筋、と結びついたんですね。
そういえば、
身体均整法の創始者である亀井師範も
「専門書に書かれていることは
もちろん重要だが、欄外に書かれていることに
問題を解決することが書いてあることもある」
と遺しています。
技術を学ぼうと専門書を買って、
技術の写真や本文のページばかり、
追うのも大事ですが、そう言った本でも、
前書きや技術のことが書いていないページに
先生が悩んでいたことが解決するヒントが
書いてあるかもしれません。
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今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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