痛みを取るのが先?ゆがみを取るのが先?「整体知恵袋.com」
整体知恵袋の田中です。
施術をしていく中で
ある程度、キャリアを積んでくると、
ぶち当たるカベが現れます。
それは、
痛み取りが先なのか?
歪みを取るのが先なのか?
ということ。
例えば、
「左膝が痛い」という患者さんに
うつ伏せになってもらった時、
右の下肢はきちんと伸びているのに、
左の下肢は膝が外を向き、伸びていない。
という現象を見た時、
「痛みがあるから伸ばせないの?」
「伸びないから痛みがあるのか?」
と疑問に感じませんか?
だからと言って、
「伸びてない膝を伸ばせば、
痛みが取れるのか?」
と問われれば、
答えはNOでもあり、
YESでもあると思います。
(うつ伏せの状態で
左の下肢を真っ直ぐにしても
膝の痛みは取れません)
ここで考えなきゃいけないことは、
『痛みがあるのか結果であって、
その痛みを生み出している』
ということ。
ここからが今日の本題。
「右肘が痛い」という男性。
仕事の時にカバンを持つそうなんですが、
下に伸ばしっぱなし(肘伸展)だと、
肘が曲がらなくなる。
逆に、
曲げっぱなしだと伸びなくなる。
本人はしきりに外顆を押さえて
肘の曲げ伸ばし、
前腕の回内外を繰り返します。
その時、この患者さんを診ていた先生は
何をしていたかと言うと、
『肘』に注目して、
テニス肘のサポーターを
患者さんに巻いてもらったり、
「肘だから三頭筋」ということで、
三頭筋を緩める方法を模索していました。
また、
三角筋の不着部を押さえると
痛みが止むというので、
先生は上腕周りの肘メインで
施術をしていました。
これを長いこと読んでくれている先生なら
お分かりかと思いますが、
痛みは結果であり、
原因ではないことがほとんど。
なので、
お節介とは思いましたが、
「肘と言えば、
尺骨と関節を作っているからD4か…」
と考えながら、患者さんの下部頸椎に
人差し指と中指で挟むように手を置き、
下に滑らせた瞬間、指が止まりました。
「あれ?」
下部頸椎に違和感。
そこで、違和感を抱いた
下部頸椎を押さえながら、
「これで肘の曲げ伸ばししてみてください」
といい、その動きをしてもらうと、
「あれ?痛くない。なんで?
曲げ伸ばしができるよ」
そこで、先生に
「ここが左のねじれているよ」と
教えてあげたら、
「えぇっ!!そこ?」
と驚いた感じになり、続けて、
「いつもはそこも調整するんだけど
今日は肘の曲げ伸ばしだから、
そこはみていなかった」
と言うんです。
まさか、下部頸椎と肘が関係しているとは
思わないでしょうから、
患者さんが肘が痛いと言えば、
肘しか(肘周り)目に行かないのも
分かりますが、この先生、
「ゆがみをどうこうよりも
患者さんは痛み取りを求めているんだから、
痛みを取ることが先決なんだ!!」
といつも言っているんです。
でも、今回のケースは、
「(下部頸椎の)ゆがみ」を取ることで、
痛みが取れたわけですから、冒頭の、
痛み取りが先なのか?
歪みを取るのが先なのか?
で考えると、
「結局、どちらもできないとマズい」
ということになります。
先生は一つの考えに固着していませんか?
柔軟性を持って症状に対応してくださいね!!
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今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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