話を聞かない施術家が信頼を失う瞬間「整体知恵袋.com」

こんにちは
整体知恵袋のたなかひろやすです。
「先生、なんか分かんないけど
肝臓の数値が、900だったのよ〜」
80代前半の女性。
いつもはワタシが施術を担当している方だ。
この日は、
たまたまワタシではなくおじいが担当に。
前回から日も浅く、来院されるのは珍しい。
今回は腰が
「痛くて痛くて仕方がない」
とのことで、少し目先を変えて、
施術をおじいにお願いしてみた。
問診が始まる。
患者さんは、肝臓の数値の話をしながら、
日常での体調の変化や不安も交えて、
とにかく「話したい」様子だった。
しかし、おじい。
例によって、話にかぶせる、かぶせる。
「ワシの肝臓も、数十年前から悪くて……」
「その数値ならワシも出たことあるで」
「治らん治らん、そんなもん」
会話というより、独演会。
患者さんの話を拾うでもなく、
治らないという結論だけを連呼していく。
極めつけは、このやりとりだった。
患者さんがふと、少し間を置いて言った。
「先生はさ、もしお医者さんで、
私みたいな患者が来たら、
【治らない】って言っちゃうの?」
おじいは間髪入れず、こう返した。
「ああ、言いますよ。だって治らんもん。
数値なんて、誰が見ても悪いとわかるんやから。
病院に行ったらワシはいつも言うよ。
「それをどうやって下げるのか」
を聞きに来とるんや、って。
そしたら医者なんか、ピタッと黙るわ(笑)」
……医者だけじゃない。
その場の空気も、ピタッと止まった。
患者さんも、
それ以上は何も言わなかった。
施術は、手だけじゃない。
信頼は、耳からも育つ。
不安を抱えて来ている人は、
施術よりも前に、
「話を聞いてもらえた」
という体験で安心することがある。
それがないまま、
いきなり治らない宣言をされれば
希望の芽は、簡単に折れてしまう。
たとえば「よくならない」と思っていても、
「今の状態ならこういう可能性がありますよ」
と、未来の視点で話せば、
受け取り方は全く変わってくる。
それをすべてシャットアウトしてしまう施術は、
もはや施術ではないのかもしれない。
話を聞かない施術家は、
手を使っていても、
身体に触れてはいない。
そして、
気づかないまま、
信頼をすこしずつ失っていく。
言葉は、
信頼を削ることも、
築くこともできる。
だからこそ、
まず耳をひらいていたいと思う。
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今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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