納得のいく不調より、希望のある違和感を「整体知恵袋.com」

こんにちは 整体知恵袋のたなかひろやすです。 もうずいぶん長く通ってくれている女性。 当初は足のだるさ、重たさを訴え、 施術ベッドに横たわると 「もう足を切り落としたいくらいです」 と半ば冗談、でも本音交じりに 言っていたのをよく覚えている。 そんな彼女も、いまでは 「なんだかちょっと怪しくなってきた気がするので…」 そんな予感の段階で、 ふらっと予約を入れてくれるようになった。 その予感は、たいてい当たる。 1回、多くて2回の施術でスッキリと整い、 「やっぱり早めに来てよかったです」 と笑って帰っていくのが常だった。 ところが、最近は様子が違った。 いつものように2回施術を受けたあとも、 「なんか、いまいち スッキリしないんです」とぽつり。 その2回は、おじい(院長)が担当していた。 おじいは今年に入ってから体調を崩しがちで、 この一か月ほどは早く帰る日が増えていた。 そのため、最後の予約時間に 来てくれるこの患者さんは、 ワタシが施術を引き継ぐことになった。 ワタシが診て3回目、4回目、、 もちろん調整は丁寧に行った。 でも、なんとなく 「ピンとこない」感じがあった。 症状の出方に、どこか見覚えがある。 そのときふと、 「経筋」の流れが頭に浮かんだ。 それを確かめるように経筋の本を開き、 施術後に患者さんにそのページを見せた。 「ほら、こういう流れで 筋肉がつながっていて… ここに引っかかりがあると、 ここにも痛みが出やすくなるんです」 本を指差しながら説明すると、 彼女は「へぇ、そんな風に 見てくれるんですね」と、 目を丸くしながら本を覗き込んだ。 そして、ふと、こんなことを言った。 「おじいだと『年のせいですね』って 言われちゃうんですよねぇ…」 あぁ、と思った。 なんだか、その言葉に すべてが詰まっていた。 確かに年齢が影響していることもある。 でも、それを理由にしてしまった瞬間、 施術の余地は狭まる。 「しょうがないですね」 「年だから仕方ない」 そう言われると、 人は自分の体をあきらめる。 あきらめると、 探そうとしなくなる。 でも、カラダの声を もう少し丁寧に聞いていけば、 そこには動きの理屈がちゃんとある。 そして、それを 「ことば」 「図」 「体感」で 伝えることができれば、 人は安心し、前を向ける。 「じゃあ、ここを整えていけばいいんですね」 「まだまだ自分の体、使えるんですね」 そんな言葉が返ってくる。 若いからこそできる施術がある。 年を重ねたからこそ、滲み出る安心感もある。 でも、「年のせい」で施術を終わらせない。 「年のせい」で、患者さんの希望まで閉じない。 それが、ワタシたち施術家の やるべきことなんじゃないか? そんなことを、あの「ふむふむ」の頷きと 一言が、教えてくれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございました。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【整体知恵袋メルマガ登録はこちらから】
姓
名
メールアドレス